神戸常盤女子高校でのフィールドワーク

2023(令和5)年3月5日(日)常盤女子高校にて「神戸の地質・地形を学ぶ会(KGM)」のフィールドワークと研修を行いました。2022年度,2学期に神戸常盤女子高校で行った「私たちの生きる大地の成り立ち」の学習をご紹介しました。主に,「1.学校隣の観音山の露頭の観察」と,「2.学校ボーリングコアから永久プレパラートを作成しケイソウ化石や火山ガラスを見つける実験や観察」を行いました。

<日時>2023(令和5)年3月5日(日) 13:00(集合)~16:00
<集合>神戸常盤アリーナ東隣の西代公園駐車場(図の①,駐車料金1回500円)
   所在地:〒653-0837 兵庫県神戸市長田区蓮池町1-1

<内容>1.常盤女子高校隣の観音山公園の露頭観察

  観音山といっても,常盤女子高校(標高36m)より少し高いだけの小さな山(標高49m)です。3年ほど前に,その頂上までの散策コースに小さな露頭が見つかりました(図1)。

図1 観音山の露頭(チャートの礫が多い)

 チャート(丹波層群)の礫の多い砂礫層(大阪層群)の露頭です。毎年,2学期初めの1時間目の授業で頂上まで生徒を連れて行って,気に入った石ころを1~2個拾って理科室に持ち帰って観察します。露頭の前で,チャートは3億年くらい前の古生代ペルム紀に太平洋の真ん中で放散虫というプランクトンが集まってできたこと,それが,海のプレートの運動で,中生代ジュラ紀(2億年前)に日本列島に付け加わった(付加体)ことを説明します。また,石が丸いということは,川があって運ばれてきたこと,それが,今,目の前に転がっている。観音山の成り立ちから,生徒は自分たちが生活する場所が,地球規模の変動によってできていることに気がつきます。また,その後の授業で,長田区のこの周辺は,大阪層群と言って,約100万年前から海になったり陸になったりを10万年ごとに繰り返したことなどを学習します。

<内容>2.学校ボーリングコアからケイソウ化石や火山灰(火山ガラス)を見つける

  ボーリングコア(サンプル瓶に入った試料)から少量取り出して水に溶かし,ホットプレートで温め水分を蒸発させてから,標本封入剤を使って永久プレパラートを作成します。顕微鏡で観察すると,ケイソウ化石や火山ガラス(火山灰)が見つかります。常盤女子高校の周辺は昔,海(または汽水)だった証拠だと考えます。昨年度は,外からLEDライトを当てる方法でやっていましたが,あまり見つかりませんでした。今年度のこの方法でやると,深さ14~21mで,ケイソウ化石や火山ガラスが多数見つかります(図2)。

フィールドワーク参加者へ配布した資料(1)

観音山や神戸常盤女子高校の地質

フィールドワーク参加者へ配布した資料(2)

観音山の地層観察マップ