動機
水はぼくたちの日常生活にあまりにも身近であり、使いたいだけ使うことがあたりまえで育ってきたけれど、国によっては戦争までしていると新聞に出ていたから、ぼくの身近な川である新湊川などの川を一度調べてみたいと思った。
昨年、ぼくがまだ引越していない時、湊川の水位が上がり、2回も洪水となった。突然の事だったのでとても驚いた。それと同時に水の汚染に関心を持ち、体にどれくらいの影響があるのか知りたくなった。新聞をみても分かるようにどんどん汚染されてきている。この付近の川の水はどのくらい汚染されているのか、今の状況を詳しく調べてみる事にした。
用意したもの
●ペットボトル ●CODパックテスト ●NO2パックテスト ●PHペーパー ●カメラ
現場
①新湊川(上流) ②新湊川(下流) ③兵庫運河 ④揖保川
まずこの川を選んだ理由は川の汚染度を調べるために鮎の取れるようなきれいな川として揖保川を選び、それと反対に都会にある新湊川と兵庫運河の水を選んで採取した。一番苦労したのは兵庫運河だった。
方法
4つの川から500mlのペットボトル1本分の水をとり、NO2とCODを調べた。NO2とは食べ物のかす、し尿などに含まれる窒素はアンモニウムにさらに酸化されこの亜硝酸になる。CODとは主に有機物が酸化剤で酸化される時に消費される酸素量の事である。
目安
NO2
0 | 0.02~0.1 | 0.1~0.2 | 0.2~0.5 | 0.5~ |
きれいな水 | 少し汚染がある | 汚染がある | 汚染が多い | 汚れた水 |
COD
0 | 2~5 | 5~10 | 10~ |
きれいな水 | 汚染がある | 汚染が多い | 汚れた水 |
最後の手順
採取した水をNO2とCODによく混ぜ、直後、2分後、5分後と時間をはかり、色の変化を観察した。同時に水をPHペーパーにつけて、酸性、中性、アルカリ性について調べた。
結果
NO2 | 直後 | 2分後 | 5分後 |
新湊川上流 | 0.02 | 0.02 | 0.02 |
新湊川下流 | 1以上測定不能 | 1以上測定不能 | 1以上測定不能 |
新湊川雨の日 | 0.02 | 0.02 | 0.02 |
兵庫運河 | 0.2にごり水 | 0.5にごり水 | 0.5にごり水 |
揖保川 | 0.02 | 0.02 | 0.05 |
COD | 直後 | 2分後 | 5分後 |
新湊川上流 | 5 | 5 | 10 |
新湊川下流 | 5 | 10 | 20 |
新湊川雨の日 | 5 | 10 | 10 |
兵庫運河 | 5 | 20 | 100測定不能 |
揖保川 | 5 | 5 | 10 |
わかったこと
これら4つの川を調べた結果、1番汚れている川は兵庫運河だということがわかった。その次に新湊川下流、上流と続き1番きれいだった川は揖保川だとわかった。
兵庫運河でCODが100以上という結果になったということは水中の酸素を消費する物質が多く入っているということで生活排水、工場廃水など汚水混入の可能性がある。
新湊川の下流でNO2が1以上になったのは、近くに汚染源があるということだけど、汚染源の警告だけではなく、水中の酸素を大量に消費してしまう。また酸素をとる力が大変強く、魚の体に大きな影響を与える。
この実験をして
近くの川がこんなにも汚染されてきているなんて信じられない。最近よくダイオキシンなどが検出されているけど、いつか自分の身の周りでも起こるかもしれないと思った。
川の水だけでなく今、生活用水や農業用水によって、地下水汚染も進んでいるらしい。その汚染物質は、大腸菌、コレラ菌、赤痢菌などがあげられる。どれも大きな病気を引き起こす原因になるものばかりだ。
人が健康な生活、すなわち洗面、入浴はもとより炊事、洗濯、掃除を行うため最低50リットルの水が必要とされる。さらに水洗便所の場合5リットルが必要となり、また公共用水、消化、交通機関、散水など多くの水が必要で、都市では1日1人あたり250~500リットルの水が必要となる。
ま と め
●水は今日、ありふれた存在であるためにその性質の重要さや不思議さが見過ごされがちであるが、化学物質 としてこれほど大切なものはない。水なくしてわれわれの生命は保てない。
●個人レベルで河川や貯水池周辺を汚さないよう努めることが重要である。
水は大切な資源であり、限られている。水は地球環境自体を形成し、維持する役割を果たしている。水源一帯 の緑化をしたり、個人、企業、行政、すべてが危機感を持って対策を考えなければならない時期にきていると思う。
<水の年齢>
●大気中から地表に降下して現在測定されるまでに経過した月日をいう。大きな河川水、井戸水、温泉水でそれ ぞれ7年、8年、15~20年程度である。
●温泉水は古い水で、長い間地下に滞在していたことを示している。
<おいしい水の条件>
●無色無味無臭であること。ミネラル分の含有量が水中に少ないと味気なく、多いと苦味や渋味を感じる。ミネラ ルとはカリウム、マグネシウム、リン、ナトリウムなどの総称である。
●よく言われる「硬水、軟水」は、ミネラルの中でもカルシウムとマグネシウムの含有量によって決められる。
<感想>
川の研究をしてわかったことは、この地球全体が水があるから衛生的な生活が出来る。しかし昔と違い、人口 が増えた分、生活排水の量も多くなり、また川の水が汚染されていることがわかった。水の再利用をすることを 積極的に考えていかないといけないと思った。
<参考図書>
水の百科事典(丸善株式会社)
水の性質 (株式会社光琳)
水の再発見 (株式会社光琳)
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