はじめに
環境問題には常に興味をもっていた。マツの気孔の汚れを指標として大気の汚染を考察できると知った。気孔の仕組みも学習したばかりなのでやってみたいと思った。主に兵庫区内で環境状態の違う場所からマツの葉を採集した。マツの葉は同じ年代のかたい元気な葉をとるようにする。
準備
・地図 ・顕微鏡 ・カミソリの刃 ・スライドガラス
・マツの葉(個人住宅・会社・公共施設は許可を得る)
・筆記用具 ・メモ用紙 ・電気スタンド
解説
クロマツの葉の気孔は陥没気孔であり、蒸散を抑えている。気孔の外に外呼吸こうがある。ここが普通の植物と違う所である。空気中の汚染物質が外呼吸こうにたまりやすい。大気汚染を調べるのによい実験材料である。
木の葉の裏の気候は大気汚染物質を吸収し分解するが、汚染物質が空気中に多くなると閉じてしまう、光合成も盛んでなくなる。
方法
(1)34ヶ所のマツの葉を用意する。
(2)マツの上部(凸部)の表皮をカミソリではがしとる。
(3)はがしとった葉の凸面部を上にしてスライドガラスにのせ顕微鏡でみる。横から光をあて倍率は100倍にする。
(4)気孔の総数と汚れている気孔の数を数える
気孔をみて汚れ具合を3段階で考える。(であらわす。)
(5)汚染率をもとめる。
<採集場所>・・・省略
<気孔の測定>(顕微鏡写真)
測定場所の様子と汚染率・・・省略
<考察>
地図上に採集場所の汚染率を表してみた。・・・省略
その程度の違いを色で表した。・・・省略
- 工場・幹線道路沿いにあるマツの葉の気孔は思った通り汚れていた。反対に静かな山沿いの場所ではマツの葉の気孔はほとんどきれいであった。交通量の違いによって空気の 汚れの度合いが分かった。
- 国道2号線沿いと市道西出高松前池線沿いのマツの気孔は特に数値が高かった。車の量もほかの道路に比べてはるかに多かった。その道路では何か息苦しくなった。人間が感じる空気の汚れをマツの葉がしめしている。
- 市道は国道2号線よりも交通量は多くないと思うが工場の多い地域を通っている。工場のばい煙やトラックの出入りが関係しているのではないか。
- 地下鉄山手線より上の地域は明らかに空気の汚れは少なかった。 走っている車も大型自動車は少ないし、山も近く緑も多いからであろう。
- 山手線よりも北のほうへ同じような距離の場所会下山公園下の住宅、大倉山公園と近くにもう一本主要道路のある荒田町2-5を比べると汚染度の違いがある。 これは緑の量と車の量の違いだと思う。
- 解説で述べたように、確かに植物は空気の汚れを吸ってくれるのが分かった。と言うことは、空気をきれいにするのに緑は役立っている。
- マツの気孔は採集場所に関係なく中央部分が汚れた気孔が多かった。
感想
身近にあるマツの葉を使って簡単な方法で、採集地の環境を調べられる事に驚いた。 広い範囲で探しまわったので大変だった。思うところに、留守でもらえなくて残念だった。 でも皆さん快くマツの葉をくださって感謝している。 いろんな場所の空気の汚れを知ることができた。 大気の汚れは人間の活動が原因だから、便利、快適に頼り過ぎないようにすべきだ。
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