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t-nishiゲスト
これまで、地域や学校で行ってきたおもしろ実験をまとめてみたいと思います。実際の講演では、詳しい解説まではしませんが、参考までに書いておきます。
1.アルミ缶つぶし
<準備>アルミ缶 ガスコンロ 火ばさみ 水そう
<方法>アルミ缶に水を少し入れ、コンロで温めてふっとうしたら水そうに入れます。
<解説>しばらくすると(1~2分)、アルミ缶の中の水が沸騰して空気を追い出します。この時点でアルミ缶の中は水蒸気でいっぱいです。
次にひっくり返して、アルミ缶を逆さにして、口の部分から水槽の中に突っ込むと、急に冷やされたアルミ缶は、中の水蒸気が水に戻りますので真空状態になり、大気圧(空気の重さによる)に押されてペシャンコになります。
大気圧の大きさは、1気圧は1.0×10^5 Pa(パスカル)、つまり1㎝^2に1㎏の重さを乗せたくらいの大きさなので、ビールの350mlのアルミ缶の場合、(直径6.6cm、高さ12cmなので、上下の円の面積は3.14×3.3㎝×3.3cm≒34.2㎝^2となり)上下から34㎏の力で押されたことになります。(前後左右・斜めからも同様に押されていますので、全表面積は320cm^2なので、320㎏の力がかかっていることになります。)
2.さかさコップ
<準備>コップ ワイングラス ハガキ
ガーゼ コップのふた ビー玉 ペットボトル
<方法>① 水を入れたコップにハガキでふたをしてさかさにして
みよう。
② ハガキの代わりにろ紙ではどうなるでしょう。
③ ろ紙の代わりにガーゼではどうなるでしょう。
④ コップにビー玉を入れ、フタをしてぶら下げたら、
何個くらいまでビー玉を入れることができるでしょう。
⑤ バスマットで作ったフタを2つ重ねて引っ張ってみよう。はずすことができるか
な?
⑥ ワイングラスに水を入れ、フタをして逆さにし、水を入れた500mLのペットボトルをつるしてみよう。ペットボトルは何本つるすことができるでしょう。
<解説>⑥について。2のアルミ缶つぶしでも解説しましたが、地表面の大気圧は1.0×10^5 Paで 1㎝^2に1㎏の重さが加わっているのと同じだけの大きさなので、ワイングラスの口の半径がビールの缶と同じ3.3cmくらいなら、34㎏の重さまではペットボトルをぶら下げられる理屈になります。すなわち、34000g÷500g=68本まで下げることができるはず。でも、実際にやってみると、10本くらいが限度になります。(フタが変形し始めて、少しでも空気が入るといっぺんに水がこぼれてしまいます。)でも、どきどきわくわく楽しい実験です。
3.水蒸気パワー
<準備>フラスコ ガスコンロ スタンド 丸めた銅管 画用紙
<方法>水を入れたフラスコに、途中を曲げて丸めた銅管をつなぎコンロで温めます。途中の銅管をガスバーナーで熱して出てきた水蒸気にマッチや画用紙を当ててみよう。
<解説> フラスコの中の水は100℃で沸騰します。初めに銅管の先から出てくるのはその水蒸気で、すぐに空気に冷やされて水滴になります。一般には「湯気」といわれるものです。
次に、銅管を丸めた部分をガスバーナーで熱すると、水蒸気の温度は100℃を超えて上昇し、マッチが点火したり紙が焦げる温度になります。
(マッチの点火温度は260℃、紙が燃える温度は450℃くらいです。)
4.さかさふうせん
<準備>フラスコ ガスコンロ スタンド ふうせん
<方法>水を入れたフラスコにふうせんを取り付けコンロで温めます。ふうせんはどうなるでしょう? また、冷やすとどうなるでしょう?
<解説> 温めるとフラスコの中の水が蒸発し水蒸気となって出ていきます。しばらく沸騰させた後、ふうせんをかぶせます。するとふうせんは膨らんでいきます。(写真左)
次に、火を止め冷やすと水蒸気は水に戻ります。すると体積が小さくなりふうせんはしぼんでいきます。さらに冷えるとフラスコの中には空気がありませんので、ふうせんはフラスコの中にまで引き込まれていきます。(写真右:逆さふうせん)
5.花火の原理(炎色反応)
<準備>簡易ガスバーナー エタノール 霧吹き
<方法>いろいろな物質をエタノールに溶かして、霧吹きでガスバーナーの炎の中に噴射してみよう。
<解説>金属を炎の中に入れると、それぞれの特色のある色を出します。これを炎色反応といいます。花火もこの原理を使って作っています。実験は、塩化銅や塩化ストロンチウムなどの金属塩をエチルアルコールに溶かして、噴霧器でガスバーナーの火に吹きかけます。
代表的な炎色反応(Wikipediaより):リチウム – 深紅色、ナトリウム – 黄色、カリウム – 淡紫色、ルビジウム – 暗赤色、カルシウム – 橙赤色、ストロンチウム – 深赤色、バリウム – 黄緑色、銅 – 青緑色、ホウ素 – 黄緑色、スズ – 淡青色、鉛 – 淡青色、
6.金属を燃やそう
<準備>マグネシウム スチールウール
<方法>金属をガスバーナーで熱してみよう。
<解説>5.炎色反応と同じ原理です。マグネシウムなどの金属を直接ガスバーナーで熱すると、激しく発光して燃えます。スチールウールは、鉄を細く加工していますので、チリチリと燃えます。ガラス瓶の中に酸素を入れてスチールウールを燃やすととても激しく燃えます。
7.アルコールロケット
<準備>アルミ缶(穴あき) エタノール 紙コップ
<方法>穴をあけたアルミ缶に霧吹きでエタノールを1~2回吹きかけ、コップでふたをして(手でアルミ缶を少し温めてから)穴に火を近づける。
<解説>アルコールは常温ですぐに気体になって蒸発します。アルミ缶の中のアルコールの気体に火を近づけると爆発します。その勢いで紙コップが跳び上がります。実験の後、アルミ缶が熱くなっているのでヤケドをしないように気をつけましょう。
8.単極モーター
<準備>ネオジウム磁石 単三電池 銅線
<方法>単三電池にネオジウム磁石を付け、銅線をいろいろな形にして電池の+極と-極をつないでみよう。
<解説>ネオジウム磁石と電池が接しているので、ネオジウム磁石の作る磁界の中を電流が流れます。(磁界の中を電流が流れると力を受けます。フレミング左手の法則)その力が銅線をくるくる回転させる方向にはたらきます。
9.ネオジウム磁石で超簡単電車
<準備>ネオジウム磁石 単三電池
銅線
<方法>単三電池の両端にネオジウム磁
石を引っ付け、コイルの中に入れてみよう。
<解説>単極モータの原理※と同様に、磁界の中を電流が流れると力を受けます。写真のようにコイルの中を電池とネオジウム磁石がくっついた物体を入れるとコイルに電流が流れ力を受けますが、コイルは動かずに電池と磁石の方が動きます。
※ 単極モーターの原理
フレミング左手の法則
10.ハンドパワー?(浮沈子)
~金魚が浮いたり沈んだり~
<準備するもの>
ペットボトル しょうゆさし(魚の形) ナット マジック ビー玉
プラスチックの水草
<方法>
さあさあ,どんどんいらしゃい!あなたの思いどおりに,浮かんだり沈んだりが自由自在,魚型のおもちゃですよ。これを浮(ふ)沈子(ちんし)といいます。材料は,どこにでもあるものばかり,さあ,自分で作ってみましょう。成功したら,もって帰って家でも楽しみましょう。お部屋のかわいいインテリアにもなりますよ。
<工作のしかたとコツ>
1.魚型のしょうゆ入れのキャップのかわりに,ねじを取りつけます。
2.しょうゆ入れに少し水を入れ,ほとんど沈むくらいで,浮いているようにします。
3.水をいっぱい入れたペットボトルにしょうゆ入れを入れてしっかりふたをします。
4.ペットボトルをギュッとおさえてみて,しょうゆ入れが沈めば成功です。うまくいかなければ,しょうゆ入れを取り出して,中の水の量を変えてみてください。うまくいけば,食紅で水に色をつけましょう。
<解説>お風呂やプールに入ったとき,自分の体が軽くなったような感じがしますね。これは,水から浮力という力を受けているからです。いっぱいにしておいたお風呂に入ると,あふれ出た水の重さ分の浮力を受けるという話を聞いたことがありますか。今から,2000年ほど前,ギリシャのアルキメデスという人が見つけました(アルキメデスの原理)。ペットボトルをおすと,中の圧力が高くなって,しょうゆ入れの中の空気の体積が小さくなります。すると,浮力が小さくなって,沈んでいくのです。おうちで,いろいろな浮沈子を,工夫して作ってみましょう。
参考:兵庫県立教育研修所
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