自由研究のヒント集(2分野)
自由研究・・・何したらいいの?という質問に答えるヒント・事例集です。結果や考察は書いてありません。自分でやってみて考えてください。もし分かりにくかったら,談話室に質問してください。
参考図書・・・「理科・選択理科おもしろ実験ガイド」他
※ 家庭で準備できないもの等は削除しました。(平成18年6月23日)
2分野
身のまわりの生物を観察しよう
2-1 植物のくらしとなかま
(なかまをふやすしくみ、水や栄養分を運ぶしくみ、栄養分をつくるしくみ、植物のなかま)
「201」顕微鏡をつくろう
1.ガラス球のレンズを作ります。
(1)ガラス棒を炎の先端で回しながら熱します。
(2)ガラス棒がとけてやわらかくなったら、火から離して一気に伸ばします。
(3)片側を切り落とし、細く伸びた先端を炎に入れて、クルクル回しながら、直径約2mmの球を作ります。(最も大切な部分です。ていねいに作りましょう)
(4)十分に冷えたら、ヤスリで切り取って、余分な所は捨てます。
(注)やけどやガラス片には十分注意しましょう。
2.顕微鏡を組み立てます。
(1)ボ-ル紙にガラス球よりやや大きめの穴を開け、その穴の中心にちょうどガラス球の中心がくるようにして、ガラス球の柄の部分をセロテ-ブで固定します。
(2)シャ-ペンの先などで、直径1mmほどの穴を開けた黒紙を上からかぶせ、両端をセロテ-プで固定します。(ガラス球、黒紙の穴の中心が重なるようにします。)
3.標本を観察します。
(1)プレパラ-トの上に作成した顕微鏡を重ねたものを両手ではさんで持ち、電球などに向かって拝むように黒紙の穴からのぞきます。
(2)丸い穴だけが見えたら、顕微鏡とプレパラ-トのすきまを指で加減しながらピントを合わせます。重ねるだけでほぼピントが合うように、ボ-ル紙の下に紙をはっておくと便利です。
「202」植物のデンプンとうがい薬
1.いろいろな植物にうがい薬をかけてみましょう。
(1)植物の切り口に直接うがい薬をかけてみましょう。
(2)絞り汁やおろし金でおろしたもの、すり鉢ですったものにうがい薬をかけてみましょう。
2.イモなどからデンプンを取り出して、粉末にうがい薬をかけてみましょう。デンプンの取り出し方は、次のようにします。
(1)皮などをむき、おろし金ですりおろします。(ミキサ-にかけてもよい)
(2)ガ-ゼにくるんで水の中でもみ、汁を十分に絞り出します。
(3)水をしばらく放置し、沈でんができたら、うわずみ液を捨てます。
(4)新しい水を加え、よくかき混ぜたら、(3)の操作を繰り返します。
(5)うわずみ液ににごりがなくなったら、沈でん物を乾燥させます。
3.デンプンの粉末を少量コップにとり、熱湯を加えて少し加熱し、デンプンのりをつくります。これにうがい薬を加えてよくかき混ぜます。その液にリンゴやダイコンのしぼり汁を加えて、変化を観察しましょう。
(発展)
1.うがい薬は、どれくらいの薄め方をすると、色の変化がよくわかるか、デンプン粉を使って調べてみましょう。
2.植物の種類によって、色に違いがあるかどうかを調べてみましょう。
3.デンプンの量によって色に違いがあるかどうかを、うすい(0.2~0.005%程度)デンプンのりを用いて調べてみましょう。また、その結果を比色表として、デンプンの量を調べることもできます。
「203」デンプンのたたき染め
うがい薬を使って、葉にできたデンプンをたたき染めで調べてみましょう。たたき染めの仕方は次のようにします。
1.ろ紙(コ-ヒ-フィルタ-や吸い取り紙)に葉をはさんだものを、下に硬いアクリル板などを敷き、上に軟らかめのビニル板などをかぶせ、木づちなどでたたいて、ろ紙に葉を写しとります。
2.10~20倍にお湯でうすめた台所用漂白剤につけ、葉の形がわからなくなるまで(約10分)漂白します。
※注.台所用漂白剤は、直接触れると危険です。皮膚につかないように、ろ紙は取り出しましょう。
3.ろ紙を取り出し、水洗いした後、お湯に1~2分つけ薄めたうがい薬につけて反応を調べましょう。
(発展)たたき染めを用いて、葉の光合成のはたらきを調べてみましょう。
「204」葉脈しおりをつくろう
葉の葉脈、海藻などを用いて、きれいなしおりを作りましょう。
1.葉の葉脈のしおりを作ろう。葉脈の取り出し方は次のようにします。
(1)10~20%の水酸化ナトリウム水溶液(または水酸化カリウム水溶液)に葉(ヒイラギなどの肉の厚い堅い葉)を入れて10~20分間煮て、やわらかくします。
(2)やわらかくなった葉を取りだし、水を流しながら、古い歯ブラシなどで軽くたたき、葉肉をとり除きます。
※注.水酸化ナトリウムが衣服や手につかないように注意しましょう。もしついたときは、すぐに大量の水で洗い流しましょう。
(3)うすい塩酸につけて中和し、再び水洗いします。
(4)オキシド-ルで漂白し、よく水洗いした後、インキや染料で染めましょう。
(5)新聞紙にはさんで乾かし、台紙にのりではりつけてできあがりです。
2.海藻サラダでしおりを作ろう。
(1)海藻サラダを水道水で洗い、10分程度水につける。
(2)海藻を、水道水を深めにはった洗面器に入れ、海藻よりひとまわり大きい台紙(ケント紙や画用紙など)を海藻の下に差し入れます。海藻を台紙の上に広げてそのまますくい出します。
(3)斜めにして、5分間くらい水を切ります。
(4)ダンボ-ル、吸い取り紙、台紙、布、ダンボ-ルの順に重ね、これを繰り返して、最後に厚い板をのせ、その上に重石をのせます。
(5)乾いたら(3日~1週間)、丁寧に台紙を取り出して完成です。海藻にしわがあると、(2)からを繰り返します。
「205」あなたの色に染まります
1.絵の具やインクで色水を作り、白い花(バラ、スイトピ-)などをさしてみましょう。花の色はどうなるでしょう。
2.茎を半分に割って、2色の色水にさして、花の色を観察しよう。(2色染め)
3.花びらのすじがまっすぐなものと、網の目のようなものとを同じ色水にさして、花の色の変化を比べてみよう。
4.色水の濃いものと薄いものを作って、変化を比べてみよう。
5.太くて柔らかい茎(ユリ、チュ-リップなど)を3等分に割って、それぞれ色の違う色水にさして観察してみよう。(3色染め)
6.白い花以外でも変化の様子を観察しよう。
7.レタスやセロリの白い部分でも実験してみよう。
(発展)
1.白い花を、あなたの好きな色に染めてみよう。
2.花がしおれたら、茎を輪切りにして、顕微鏡で観察してみよう。
3.植物の茎について調べてみよう。
2-2 活きている地球
(大地は語る、大地が火をふく、大地がゆれる、大地が動く)
「206」地層のできかたを見よう
<用意するもの>ペットボトル,土,砂,泥,小石など,水?
1.砂などをペットボトルに半分くらい入れます。このときに、葉っぱなどが入ってもよい。
2.水を入れてふたをします。?
3.おもいっきりふった後、しばらく立てておきます。
4.どの順番にたまっていくかを観察しましょう。
2-3 動物のくらしとなかま
(いろいろな動物、感覚と運動のしくみ、生命を維持するしく)
「207」君は1万円札がつかめるか
1.1万円札を横長にして落とし,親指と人差し指を開いてつかんでもらおう。
2.1万円札を縦長にしてやってみよう。
(発展)
1.1万円札の代わりに長い紙を落としてみよう。
2.長さが何cmのものならつかめるでしょう。定規で測ってみよう。
「208」君の瞳は100万ボルト
1.CCDカメラをAV機器に接続して、画面に目を大きく映し、瞳の大きさをよく観察しよう。
2.目の前に電灯をつけて、瞳の大きさを観察しよう。
(発展)
1.逆に最初電灯をつけておいて消すとどうなるかやってみよう。
2.明るさをいろいろ変えて観察してみよう。
「209」ナメクジは塩にとける
1.ナメクジの体重をはかってみよう。
2.ナメクジを2匹用意し、1匹に水、もう1匹に食塩をかけて様子を観察しよう。
3.水や、食塩をかけたナメクジの体重をはかってみよう。
(発展)
1.ナメクジの体の中から何が出てきたのでしょう。
2.濃度の違う食塩水をかけて一番体重が減るのは濃度が高いものか低いものか調べてみよう。
「210」カタツムリと遊ぼう
1.日陰のじめじめしたところにある石の下や植木鉢の下を探してカタツムリを採集しよう。
2.キュウリやニンジン、キャベツなどを与えて食べる様子を調べよう。
3.ガラスの水槽にはわせて、足の動きを観察しよう。
4.垂直な面や、斜面、天井においてどの方向に動くか調べよう。
5.乾燥するとどうなるのでしょう。
6.触覚を切ったらどうなるのでしょう。
(発展)
1.カタツムリの貝がらに右巻きのもの、左巻きのものがあるだろうか。
2.カタツムリの性質をいろいろ発見しよう。
「211」カエルの芸
1.オタマジャクシからトノサマカエルになる様子を水槽に飼って観察しよう。
2.小さな昆虫(ハエ、コオロギなど)を入れてみよう。
3.水槽の中に生きている小さな昆虫、死んだ小さな昆虫を入れて食べる様子を観察しよう。
4.死んでいる昆虫を糸でつるし、カエルの目の前で振ってみよう。
(発展)
1.どのくらいの大きさの昆虫を食べるか、いろいろな昆虫で確かめてみよう。
2.カエルと同じなかまにはどんな動物がいるか調べてみよう。
3.カエルと同じなかまの動物はどのように昆虫を食べるか観察してみよう。
「212」にぼしの食事はナーニ?
1.にぼしのおなかをほぐして消化管を見つけよう。
2.消化管を水に浸し、ふやけてからほぐして観察しよう。
3.消化管の中のものを顕微鏡で観察しよう。
(発展)
1.おなかの中にあった微生物の名前を調べよう。
2.海水魚と淡水魚で食べる微生物の違いを調べよう。
「213」肺の模型を作ろう
1.ペットボトルを半分に切る。
2.上半分のペットボトルの口に風船をとりつける。
3.※上半分のペットボトルの下部に約5mmのガムテープを2重に巻きつける。
4.上半分を下半分にはめて、下半分のペットボトルを上下させ,風船のようすを観察しよう。
(発展)
1.気管や気管支の模型を加えて作ってみよう。
2.横隔膜の模型を他の物で作ってみよう。
3.人体のいろいろな部分の模型作りに挑戦しよう。
「214」動物の行動
1.ダンゴムシは二重T字路を通るとき、どのように進むか。
2.ゴキブリは、何色を好むのか。
3.蚊が真っ暗なところでもヒトを見つけだすしくみは。
「215」にわとりの解剖
1.歯があるか
2.消化管の長さは?
3.胆のうを見つけ、胆汁を出してみよう。
4.気管を見つけよう。
5.心臓、肺を見つけよう。
「216」風向風速計をつくろう
ペットボトルを使って風向風速計を自作してみよう。
<用意するもの>ペットボトル,ストロー,プラスチック板,針金
1.方位磁石を左手の手のひらに置き、右手に自作した風向風速計を置き、風が吹いてくる方向へ向かって立ち、風向を調べよう。
(発展)
1.毎日、時間を決めて観測してみよう(1日に数回)。
2.1時間に1回観測し、1日の変化を調べよう。
2-4 天気の変化
(大気を調べる、大気中の水分、大気の動きと天気)
「217」気温と地温を測ってみよう
1.観測をしよう
<用意するもの>温度計2本,記録用紙
<方法>
(1)気温と地温を測定しよう。
(2)1日2回測定しよう。
(3)グラフ用紙に折れ線グラフで記録しよう。
(発展)
1.乾湿温度計で、湿度を測定しよう。
「218」あっ!ペットボトルが
1.ペットボトルに湯を入れる
2.2~3分後に湯を捨てて容器を空にする。
3.ふたをして冷水で冷やそう。
(発展)
1.空のアルミカンの中に、少しだけ水を入れましょう。
2.コンロの上に、水が入ったアルミカンをのせ、十分に加熱しましょう。(中の水がなくなるまで。)
3.水を入れた水槽に、加熱したアルミカンをさかさまにして、口元(開いている方)から水槽の中に立てます。
4.あっと驚く結果に。
5.アルミカンのかわりに灯油缶でやってみよう。
6.ドラム缶でやってみよう。
(さかさまにはできないので、ふたをし、ホースで水をかける。)
※火を扱うときは、やけどや火事に十分注意して、お家の方といっしょにやってみましょう。
「219」天気についてのことわざ調べ
昔から天気予報の方法として、「ことわざ」が長い間言い伝えられています。中には迷信もありますが、科学的に見て正しいものも数多くあります。気象観測のみならず、このような「ことわざ」が正しいのか、気象観測とともに調べてみるのもおもしろいでしょう。
1.ネコが顔を洗うと雨
2.朝焼けは雨夕焼けは晴れ
3.ツバメが低く飛ぶと雨
4.山に笠雲がかかると雨
5.池の魚が水面でパクパクすると雨が近い
6.このほかにも数多くあり、その地方に言い伝えられている独特の「ことわざ」もあります。調べてみるのもおもしろいでしょう。
2-5 生物の細胞と生殖
(細胞と生物の成長、生物のふえ方)
2-6 地球と宇宙
(天体の見かけの動き、宇宙の中の太陽系)
「228」星空の写真を撮ってみよう
バルブ(シャッター開放)機能がついたカメラを三脚にとりつける。
フィルムは、高感光度(トライXなど)のものを入れた方がよい。
1.北の空を撮してみよう。
北極星を中心とした写真を撮ってみよう。 (2時間シャッター開放)
2.北斗七星、カシオペア座、オリオン座など見つけやすい星座にカメラを向けてシャッターを1時間ほど開放してみよう。
3.8月のペルセウス座流星群などをねらい、流れ星を撮ってみよう。輻射点にカメラを向け4時間ぐらいシャッターを解放してみましょう。
(発展)
1.天体望遠鏡を使って、月面の写真や惑星の写真を撮ってみよう。
2.天体望遠鏡を使って、星団や星雲を撮ってみよう。
「229」定点観測をしよう
1.毎日、同じ時間に同じ場所での、日の出日の入りの場所を記録しよう。 (登下校時を利用し、画用紙などに記録を残していこう。)
2.方位や高度を記録しよう。
「230」日時計を作ろう
1.画用紙、わりばしなどを利用して自分だけの日時計を作ろう。
2.マッチ棒と腕時計があれば日時計の代わりをすることができます。そのしくみを考えてみましょう。
「231」太陽の黒点を観察しよう
目を痛めるおそれがあるので、直接、太陽を望遠鏡でのぞいてはいけません。学校の先生のアドバイスをもらってやってみましょう。
1.右の図のように望遠鏡にガイドをつけ、画板(小)をつけ,記録用紙をはりつけよう。
2.画板に写った黒点の動きを用紙に記録しよう。
3.黒点の数を数えよう。
4.天体望遠鏡にカメラをとりつけ、太陽の表面写真を撮ろう。
「232」日周運動観測器を作ろう
1.日周運動観測器(谷田貝式)を作ってみよう。
<用意するもの>
アイスクリームのカップ,プラスチックの板(シート),5円玉,糸,テープ
<方法>
(1)目印にする星を決めて、その位置をプラスチック板にマークする。2時間後、同じ場所から同じ観測をして、何度動いたかを調べよう。
2-7 自然と人間
(生物どうしのつながり、自然環境と人間)
「233」君にもあるメンデルの法則
1.親類(両親、兄弟姉妹、祖父母。おじ、おば、いとこ)で、二重まぶたの人がいないか、調べてみよう。
2.親類で舌が縦に巻くことができる人がいないか調べてみよう。
3.家系図に調べた結果をまとめてみよう。何か規則性はないかな?
(発展)
1.二重まぶたも巻き舌も優性形質です。メンデルの法則はあてはまるかな。
2.他に優性形質がないか、さがしてみよう。(たとえば血液型、指紋の模様、もうこ斑)
「234」幸せは自分でつかめ
1.シロツメクサを見かけたら四つ葉のクローバーをさがしてみよう。
2.茎の先端を見つけ、若い葉が出てくる所(成長点)を靴でふんづけてみよう。
3.数日後に、もう一度観察したら、若い葉はどうなっているだろうか。
(発展)
幸せの四つ葉のクローバーは、成長点が動物や車などにふまれて刺激されたために突然変異 →「環境変異」(ご指摘があり訂正しました:平成17年8月15日)を起こした、いわば人工的に造られた葉です。
他の植物や微生物(アメーバーなど)でも、似たようなことが起こらないか試してみよう。
「235」オオカミとウサギのサバイバルゲーム
1.フェライト磁石のオオカミ(数頭)とゼムクリップのウサギ(数十頭(羽))を用意しよう。
2.正方形の紙の上にウサギ20頭(羽)を等間隔にばらまこう。
3.紙から30cm 離した坂の上からオオカミをころがそう。
4.オオカミにくっついたらウサギは、食べられてしまったと考えよう。
(1)ウサギを3羽以上食べたオオカミはこどもが生まれ、数が2倍になる。
(2)最初のオオカミの数をいろいろ変えてためしてみよう。
(3)坂の角度をいろいろ変えてためしてみよう。
(4)ウサギもオオカミも絶滅してしまう場合はあるだろうか。
「236」食パンのバイオ実験室
1.袋から出した食パンに、身の回りの身近な水(水道水、川や池、田んぼ、水たまりの水など)を少量しみこませてみよう。
2.食パンを深めの皿(清潔なもの)に入れ、ほこりがかぶらないようにラップをして、日の当たらないしめったあたたかいところへ置いてみよう。
3.数日たったら、食パンの表面はどうなっているのだろうか。
(発展)
1.水のかわりにしめった土を少量かけてみよう。
2.食パンを空気中に数分間放って置いてからラップをかけて同じようにしてみよう。
3.いろんな場所(道路のそば、レストラン、トイレ、森の中、野原など)の空気を集めてみよう。
「237」カビの研究(研究例)
※この実験は、カビが病気の原因になることがあることを十分理解し、直接触らない・吸い込まないなどの注意をはらって行いましょう。また、実験が終わった後は、使用した容器は熱湯で滅菌消毒し、食物はすみやかに焼却処分してカビの菌が広がらないように気をつけましょう。
■研究の動機
パンを,置いていたら,パンの表面に,うすくカビがはえていた。私も学校でカビについて習ったことを思い出し,カビについていろいろしらべてみることにしました。
■実験・観察に使ったもの
ルーペ,シャーレ,顕微鏡,えつき針,ビニール袋,空きかん,食パンなど。
■実験,観察の手順
(1)カビのはえ方と温度の関係
(2)カビのはえ方と水分の関係
(3)包装とカビのはえかた
(4)カビはどのように食物につくか
(5)顕微鏡でみたいろいろなカビ
(6)まとめ
■実験,観察の記録
(1)カビのはえ方と温度の関係
①3個のシャーレを用意して,それぞれに,食パンを1/4に切って入れる。
②それを日当たりのよい場所,日当たりの悪い窓ぎわ,冷蔵俸の中とにおく。
(2)カビのはえ方と水分の関係
カビは水分をあたえると,はやくはえるかどうかを調べてみました。
①シャーレにパンを入れたものをこつ用意して,同じ場所におく。
②一つは毎日同じだけ水をあたえ,もう一つはそのままにしておく。
(3)包装とカビのはえかた
どのような包装が,パンにカビをはやさないのだろうか,しらべてみました。
①パン(か切ったもの)を新聞紙につつんだもの,ビニール袋に入れたもの,空きかんに入れたものを用意して,同じ場所におく。
②数日後カビのはえ方をしらべる。
(4)カビはどのように食物につくか
①2個のシャーレに食パンを入れて,水でしめらせ,むし器に入れてむす。
②さめたらシャーレを取り出し,一つはふたをあけ,10分間ぐらい空気にふれさせ,またふたをする。もう一つはそのままにしておく。
③両方のシャーレを同じ場所に置く。
(5)顕微鏡で見たいろいろなカビ
図1に願微鏡で見たアオカビ,コウジカビの様
子を示します。
■実験のまとめ
■反省
参考資料:子どもの科学別冊「理科の自由研究ガイド」
テーマとすすめ方
誠文堂新光社岩崎幸敏著
「238」土をテーマにしたいろいろな実験
(図は省略してあります)
■実験1■ 土の酸性度を調べる
農家の人が畑に石灰をまいているのを見たことはありませんか。土が,酸性が強くなって,作物の成育にわるいからです。日常の土は酸性が多く,これを弱めるため石灰をまくのです。それは,土の中の石灰,カリなどのアルカリ性物質が流れさるからで,日本のような気候が温暖で雨の多いところでは,酸性をしめす土地が多いのです。
中国の北部のように,土地が低く雨の少ないところでは,山から流れた食塩や炭酸ナトリウムがたまってアルカリ性を示す土地があります。 しかし,アルカリが強すぎると,やはり植物に害を与えます。そこで作物を作る重要な要素,土の酸性度を調べてみましょう。(1)土を採集する。
酸性度を調べようとする田畑の表面から深さ4~5cm,15~20cmくらいのところの2か所から手をふれないように,集めます。また,同じようにして,畑のほかの場所から3~4か所でとり,ふるいで小石をのぞきます。
ビニールなどの上でよく混合し,日かげで1~2日乾燥,袋に入れて保存します。
これが試験する土で,採集者名,場所,時間を記入しておきます。(2)酸性度を調べる
pH試験紙で調べる方法ですが,試験管に試料をとり,土の量の3倍くらいの塩化カリ溶液を加えてよく振ってから静置する。数分後,上澄み液にpH試験紙を入れ,あげた直後に比色表と比べます。〔参考〕
土にしみこむ水には,何かのイオンを含んでいるし,耕地では硫安,過リン酸石灰,塩化カリなどを肥料としてあたえているので,土の酸性を調→るには,※置換酸性をはかった方がじっさいに適しています。
植物とpH
土壌のpHが,植物の生育に重要な関係を持っていることはよく知られていることで,これらに関する研究がいろいろと報告されています。
酸性に強い作物としては,水稲,陸稲,サツマイモ,スイカ,恭など,弱いものは大麦が極端で,ほかにホウレンソウ,レンゲ,玉ネギなど,中間のものとしては小麦,ナタネ,カンラン,ナス,トマト,キュウリなどがあげられます。酸性に強い作物にはカルシウムは少しやればよいのですが,酸性に弱い作物にはカルシウムを多くやらなければなりません。開こん地などの酸性土壌に石灰をやるのは,一つには酸性を弱くするためと,二つには植物の体内のカルシウムを補給してやるためで,酸性に弱い作物ほど石灰を多く要求するというので,タイズやホウレンソウにはこうした考慮をしてやる必要があります。酸性に強いものは,がいして植物体内にカルシウム含有率が少なく,水稲などはその例で,それほどカルシウムを補給しなくともよく,酸性土壌でも心配なしに作れます。
いろいろなもののpH
おとなの胃液は0.9~1.6,ブドー酒は3.5,にょうは正常人は4.8~7.4,平均して6.0といわれています。肉食の場合には酸性側にかたより,植物食の場合にはアルカリ性側にかたよるといわれています。だ液は7.1,血液は7.3~7.5,平均して7.4ぐらい,すい液は8.8ぐらいとされています。セッケンは9~10でアルカリ性です。牛乳は6.5ぐらいが正常で,いろいろの条件で6.4~7.2の範囲にわたって変わることがあります。古くなって細菌が繁殖し始めると急にpHが低下します。したがって,BTBを指示薬として加えることによって,その新鮮度,酸性度の大略を知ることができます。つまり新鮮な牛乳は黄緑色を示し,酸敗が始まると黄色を呈するようになります。
■実験2■含水率をはかる
(1)十分に土をかわかして,その垂さWgをはかります。
(2)この水に十分水を吸収させ,その重さW1gを計算します。
含水率(%)=(W1-W)/W×100
■実験3■透水性を調べる
(1)ガラス管の中に試料の土を入れ,軽く5回(何回でもよい,条件をそろえる)振って,同じ高さまで入れます。
(2)一定量の水(500ccくらい)を上から落とし,水が全部透過するまでの時間をはかります。
■実験4■ 水を吸い上げる高さをはかる
(1)ガラス管に,試料の土を同じ高さ,実験3と同じ要領でつめます。
(2)ガラス管を水中に立てると,毛管現象によって水が上昇するので,その高さを記録します。
■実験5■ 粒度をはかる
<準備>上皿天秤,メートルグラス。Ⅴ字型に曲げたガラス管,ビーカー,ストップウォッチ,
ふるい1mm,2mm 土の粒度分析
(1)調べたい土を採取して,それをよく風で乾かします。
(2)100gを正確にはかります。バーセントをだすのには100が便利ですね。
(3)直径2mm以上の小石を分けるには,ふるいがあればよいのですが,ないときは空きかんの底に2mmの小孔を多くあけて作ればよいでしょう。 小石の目方をはかります。
(4)次に,1mmのふるいにかけると,1mm以上の荒い砂が上に,下に1mm以下の土がでますが,それぞれの目方もはかります。
(5)なお,ふるいがあれば1/2mm,1/4mmと分けられますが,そのほかに土の沈降の速さを利用して分けることもできます。
(6)残りの土をメートルグラス(2~30cm)に入れ,水を注いで,よくかき混ぜます。サイフォンの先端をメートルグラスにあらかじめ10cmの高さの所に入れておき,29秒たったらサイフォンで10cmまでの土を他のビーカーに移します。径去1/16mm以上の粒はこの中にはいります。
反対にもっと小さいものは浮遊していますが,同じことを2~3回くり返します。そして,この土はろ過してよくかわかし,目方をはかります。
(7)以下,1/16~1/32mmは1分55秒,1/32~1/64mmは7分49秒,1/64~1/128mmは30分38秒・・・となります。
なお,理工学で用いる土の名称は図6のとおりですが,砂,どろ,粘土の分け方にはヨーロッパ式とアメリカ式とがあります。たとえば,砂はヨーロッパ式では2~0.05mmですが,アメリカ式では2~1/16mm,どろは0.05~0.005mm,1/16~1/256mmとなります。
したがって図6はヨーロッパ式ということです。
ふるいは,黄銅製。直径55mm。7ミ目は丸孔で日の大きさは,径0.25mm・0.5mm・1mm・2mmです。その外,ふたと,受け台がついたものが,市販されています。
■実験6■ 水の保ち方を調べる(保水について)
(1)試験管に,試料土を入れます。
(2)水をみたし,管口に布のふたをします。布目の大きさで時間が変わりますが,予備実験をして布目の大きさを決めます。
(3)同時に倒立します。
図7のa,b,cは同一時間内での水のない部分をさしていますが,泥は保水性が高いので,aの長さは短くなります。また,同一時間内のa,b,cをはかっても比かくできるし,それぞれの試料ごとに水が全部落下する時間,すなわちa,b,cが0cmの時間をはかってもよいのです。
■実験7■ 土の移動について調べる
(1)箱に試料をいっぱい入れます。
(2)箱ごと傾けていくと,やがて土がくずれて落ちますが,そのときの角度をはかります。土によって,すぐくずれていくものがありますが,斜面の岩盤上にのっているような土は,たえず動こうとしているので,わずかな雨でもがけくずれをおこすでしょう。
■実験8■ 土の断面を調べる
(1)庭,学校園そのほか目的の土地をなるべく垂直に掘ります。
(2)表にしたがって,観察したことを記録しておきます。参考
子供の科学別冊 理科の自由研究ガイド
昭和53年7月25日発行 誠文堂新光社
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