18.水の汚染調査

動機
私たちの身近な川の水はどのくらい汚れているのかが気になっていたので調査してみました。

内容
、住吉川の水質調査(8ヶ所)
、学校のプールの水質調査

方法
、採集用具       サンプルびん(100ml)、カメラ、ひも、ミニバケツ、温度計
、実験器具・材料    ●河川調査用パックテスト(2種類)
(亜硝酸NO2・・・・ナフチルエチレンジアミン)
(化学的酸素消費量COD・・・・過マンガン酸カリウム)

●PH試験紙ユニバーサル(pH1~11)

●PH試験紙BTB(pH6.2~7.8)
●BTB液
●硝酸銀水溶液
●リトマス紙
●試験管
●スポイト


方法
1、東灘区住吉川の上流の千丈谷堰より下流までの8ヶ所で水を採取、
その地点の気温、水温、生物について観察した。
2、学校のプールの水を採取した。
3、すぐに家に持ち帰ったサンプルの水質を検査した。
ⅰ、パックテストの測り方(亜硝酸)

     ⅱ、(COD)科学的酸素消費量
①と同様にして水温20℃の時5分後に比色する。
ⅲ、(pH)pH試験紙(BTB)、(ユニバーサル)、リトマス紙各々にサンプルをスポイトで数滴たらして比色した。
ⅳ、(塩素)硝酸銀を数滴加えて、白濁の度合いを比べた。
ⅴ、臭い、澄明度、色を観察した。

採集場所①~⑧住吉川 ⑨学校のプール

結果          ※(塩素)水道水を(+++)として比較した

 

項目↓ サンプル→

1

2

3

4

5

6

7

8

9

燈明度

微濁

臭気

なし

なし

なし

なし

なし

なし

なし

磯臭い

カルキ臭い

ユニバーサル試験紙

7

7

7

7

7

7

7

6

7

BTB試験紙

6.4

6.4

6.8

7.0

6.8

7.0

7.4

7.2

6.8

リトマス紙

変化なし

変化なし

変化なし

変化なし

変化なし

変化なし

変化なし

変化なし

変化なし

BTB液

CODmg/l

6

6

7

8

8

8

9

10

10

NO2mg/l

0.02

0.02

0.02

0.03

0.03

0.04

0.07

0.2

0.2

塩素 

+

+

+

++

++

++

++

+++++

++++

水温℃

20.2

20.6

21.1

22.9

27.3

32.7

36.4

36.5

31.0

気温℃

28.0

27.0

32.0

36.0

36.0

33.5

36.0

34.5

35.0

生物

カワニナ

サワガニ
小魚

カニ 、小魚

カニ 、小魚

不明

タニシ、小魚

アメンボ

アメンボ

はぜの稚魚

やどかり
カニ
海草

 

考察
検査項目の亜硝酸について食べ物の多くは主に窒素、炭素、水素で出来ている。炭素は炭酸ガスに水素は水に変化するが窒素の変化は複雑だ。

食べ物のかす・風呂の水・し尿等の窒素分 ⇒ 分解  アンモニウム(NH4) ⇒  亜硝酸(NO2)   硝酸(NO3) ⇒   植物
             

 この過程の途中にあるのが亜硝酸だ。亜硝酸を測るとどの程度、水が汚れているかが分かる。このパックテストでは、調べたい水の亜硝酸イオン(NO2)が測定できる。亜硝酸値が高いことは不安定な亜硝酸が多いということで、近くに汚染源があるということだ。(概略の目安)

 

亜硝酸値mg/l

   0

0.02~0.1

0.1~0.2

0.2~0.5

0.5~

評価

きれいな水

少し汚染がある

汚染がある

汚染が多い

汚れた水

 

住吉川の水の検査結果ではNO2は0.02~0.07mg/lなので上流ほどきれいで下流でも比較的汚染が少ないことになる。No⑧の河口地点では海水が入りこみ、船も近くに停泊しているので汚染が多かった。

CDO-科学的酸素消費量について
CODとは水中にある物質(主に有機物)が酸化剤によって酸化されるときに消費される酸素のこと。CDOを測ると、どの程度水が汚れているかが分かる。CDO値が高いことは、水中の酸素を消費してしまう物質がたくさん入っていることで、生活排水、工場廃水など汚水混入の可能性がある。つまり汚れているということだ。CDO値が高いと水中の物質が酸素を奪ってしまうので、水中の酸素が足りなくなり魚が棲めなくなる。また自然浄化作用もとまってしまう。
(概略の目安)

 

CDO値mg/l
0
2~5 5~10 10~

評価
きれいな水 汚染がある 汚染が多い 汚れた水

 

 住吉川の水のCDO値は6~10mg/lであるから汚染が多いことが分かる。

 外観は無色燈明で異臭もなく(No①~⑦)きれいな水であった、おいしい水の条件がpH6.5~7.0であるから、この点でも合格であるといえる。No⑦の地点は7月29日現在で住吉川の流れの最下地点。水量が少なく子供たちが大勢水遊びをしていたので汚染されやすかったのだと思う。また、川のpH調査ではBTB-pH試験紙が適していた。他の試験紙等は差異がわかりにくかった。上流は山中にあり水温も低く、きれいな水に生息する生物を確認できた。


反省
最も苦心したのが、No④の地点での水の採取である。橋から川までの高さが20cmほどあり、河原まで降りられないので、バケツに石ころの重りを入れ、ひもでつるして橋の上からくみ上げた。そのため、この地点での生物の観察は出来なかった。No①~③の上流の河原は涼しく、バーベキューポイントにもなっていて、よい環境だった。また僕たちの利用する学校のプールも意外ときれいな水だった。川の水は見た目がよくても科学的に調べるとよくないところなどがでてくるものだと分かった。

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