神戸市理科作品展「金賞」受賞作品
<動機>
私たちの街,湊川は古くから栄えた商業地で,M中学校の近くには神戸市でも有数の大きさの湊川市場があります。
湊川市場
そして,その周辺には市営地下鉄や私鉄などの駅があり,東西,南北ともに大きな幹線道路に囲まれ,毎日多くのバスやトラックが走っています。
学校前道路(1)
最近,学校の授業で環境問題を考える機会があり,「このような街に住んでいる私たちの吸っている空気は,いったいどのような物質がふくまれているのだろうか。そして,それは人体にどのような影響をおよぼすのだろうか。」と,疑問に思い,この機会を利用して調べてみることにしました。
学校前道路(2)
<浮遊じんって>
浮遊じんは,自動車や工場のえんとつからでる「ばい煙」や「すす」のうち,割合粒子の大きいばいじんと10μm以下の浮遊粒子状物質に分けられる。
大気中の浮遊じんは,人の気道や肺胞に沈着し,呼吸器疾患の増加を引き起こすおそれがある。工場等の事業活動や車の走行に伴い発生するほか,風による巻き上げ等の自然現象によるものもある。
<NOxとは>
NOxとは,窒素酸化物(ちっそさんかぶつ)のことで,自動車(とくにディーゼルエンジン車)の排気ガスや工場の排煙などにふくまれている、代表的な大気汚染物質です。雨水にとけて酸性雨の原因になったり、太陽の光を受けて光化学スモッグを引き起こしたりして、自然や人体に悪い影響をあたえます。記号で,NOxと表され、略してノックスともよばれます。
(インターネットホームページ学研サイエンスキッズ「大気汚染調査」より)
<調査方法>
事前学習で環境局へ
まず,夏休みのはじめに環境局へ行き,実験の方法などをお聞きし,NOx測定用のアナライザーをお借りしました。次に,浮遊じんとNOxを同時に測るためのかごを用意しました。
かごにひもを通して準備しているところ
調査第1日目
8月3日 気温(30℃) 天気(晴れ)南の風
- 湊川中校区の環境の違いを考えて約60ヶ所の地点に測定用のかごを1セットずつ設置する。
- かごには浮遊じん測定用にセロテープをぴんと張り,NOx測定用に番号・時間のシールを張った小ビンをかごの側面に張り付ける。
3.NOx測定用の小ビンのふたを取って,記録ノートの時間・場所を記録し24時間放置する。
調査第2日目
8月4日 気温(31℃) 天気(晴れ)南の風
- およそ24時間後,記録ノートをもとにかごを回収していく。
- 浮遊じんのついているセロテープにスライドガラスをあて,できるだけ空気が入らないように密着させ切り取る。
3.NOx測定用の小ビンのふたをしめて,時間を記入する。
調査第3・4日目
8月11日気温(31℃・南の風)にセットし,12日(30℃・南の風)に調査。第1・2日と同様に場所を変えて(神戸駅周辺)実施した。
浮遊じんの測定
<準備するもの>
ルーペ・目盛りつき定規・
<方法>
- 浮遊じんのついたスライドガラスを白紙にのせ,目盛りつき定規を重ねる。
- ルーペで1マス内(25mm2)の浮遊じんの数を数える。
- 3~4ヶ所数えて平均し,1cm2当たりの数に換算してノートに記録する。
浮遊じんの数を数えているところ
顕微鏡写真(浮遊じんが多い場合)
顕微鏡写真(浮遊じんが少ない場合)
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