[99]アゲハチョウを飼育しよう 暁 2006/06/12 23:44
今日は小学生の教科書にも載っているアゲハの飼育の仕方を紹介します。
よく「中学○年生にあってますか」「幼稚じゃないですか」と聞いてくる人がいるのですが、逆に聞きます。幼稚な実験とはナンなのでしょうか?
生物の飼育・観察はとても重要な研究です。
むしろやり方によっては世界の学者と張り合えるだけの可能性も秘めています。みなさんもこの機会に飼育・観察の研究にとりくんでみてはいかがでしょうか?
[用意するもの]
・牛乳パック
・オアシス(園芸用の硬いスポンジ)
・幼虫の食草(今回の方法は柑橘類など、木での食草に向いています。)
・飼育ケース
・ティッシュペーパー
・幼虫
[やり方]
①牛乳パックを下5分の1くらいのところで切り、そこにカットしたオアシスを入れます。
*なぜオアシスなのか*
ビンにティッシュを詰めて飼育した場合、幼虫がビンの口に頭を突っ込んで溺死した経験があります。オアシスなら幼虫が落ちても比較的安全です。
②飼育ケースの底にティッシュをひきます。
*なぜティッシュをひくのか*
1つは糞の掃除が簡単になること。もう1つは、幼虫は蛹になる前に水っぽい糞をするので、それを吸い取り、かつ発見しやすくするためです。蛹の時期を把握すことは寄生バチの予防につながります。
③幼虫と食草を確保します。
*幼虫は何時頃室内に入れるのか*
基本は卵からでもOKですが、弱齢幼虫の飼育はめんどうなので、ある程度の大きさまで育ってから飼育をしたい人は、幼虫が3~4齢になるまで待ちましょう。5齢(青虫)になると高確率で鳥に襲われます。
*食草の注意点*
・排気ガスなどで食草が汚れている時は、バケツに水を張り、中で葉をゆすぎ、ティッシュで排気ガスをふき取ってください。
汚れが酷い場合は幼虫がえさを食べられない場合があります。
・切ってきた食草は、枝の切り口付近を水につけ、切り口が斜めに改めて切ります。
これを「水切り」といい、水の中で切ることにより、吸水性を高め、斜めに切ることでスポンジから水を吸い上げる表面積を増やします。
④食草をオアシスに差し、飼育ケースにセットします。
あとはこの容量でえさがなくなったら補充してあげましょう。
【寄生中を撃退せよ】
幼虫を育てる時、最も警戒しなければならないのが寄生蜂です。今回はナミアゲハ限定での紹介です。
[ナミアゲハの場合]
・アオムシコバチ
都会でも最もよくいる寄生蜂。小さい蟻サイズなため、ほんのわずかな隙間から侵入します。
幼虫が前蛹の(蛹になる前に、前かがみになる)姿勢をとった時に幼虫に近づき、卵を産みます。
蛹の中で孵化した幼虫は、蛹を食い荒らし、成虫になると小さな丸い穴を開け、穴から無数の寄生蜂が這い出します。
対策としてはやり方②で紹介した糞をたよりに、蛹になりそうな幼虫を蓋付きの飼育ケースに入れ、飼育することで、この寄生蜂を防ぎます。
・アゲハヒメバチ
ミカン農家などでは益虫として放されている寄生蜂です。おおきさは小柄なアシナガバチ。人には一切危害を加えず、かなりなナイスバディです。
幼虫時代から卵を産みつけ、外見からでは判別困難です。
やがて幼虫は蛹になりますが、羽化直前に透ける翅模様がいやに小さかったらご用心。
蛹に大きな穴を開け、空以外何も残さず見事にアゲハヒメバチが羽化します。
対策としてはミカン狩り先などで採取しないか、卵から育てることでしょう。
他の幼虫を飼育する場合も、寄生虫には特に注意しましょう。
何事も経験ですが、後の処理が大変です。
オアシスについて補足します。
[100]Re:アゲハチョウを飼育しよう まんぼう 2006/06/13 00:16
オアシスについて補足します。
オアシスはフラワーアレンジメントの土台などに使われる吸水性のあるスポンジです。レンガブロックくらいの大きさで600円程度で花屋さんで買えます。
包丁やカッターナイフで容易に切れるので、容器(牛乳パックなど)にあわせて調節してください。
食草をさす前に充分に水を吸わせることが大切です。その後も水分を補給することを忘れないで下さい。
幼虫のふんがオアシスに落ちるとかびる事もあるので
毎日食草ごとオアシスを傾けてオアシスの表面を水で洗い流すようにすると手間がかかりませんでした。
アゲハの幼虫は体の厚みの1/3の深さの水でおぼれます。
せっかく育てた幼虫をおぼれさせないためにも
オアシスは便利ですよ。